新型コロナウイルス（肺炎）に感染した場合の引越しのキャンセル方法と違約金について

2020年初頭から新型コロナウイルス感染症、『正式名称COVID-19（coronavirus disease 2019）』が日本で様々な影響を与えています。

新型コロナウイルスの感染者は日本でも増加しており、感染リスクは増加傾向にあります。

そのため万が一、新型コロナウイルスなどに感染した場合に、どのように引越し手続きをしたらいいか。

またキャンセル料の負担や、引越し業者の対応なども、事前に把握することが大切です。

※本記事は2020年5月17日時点の情報に基づき作成しております。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）とは

新型コロナウイルス感染症は、2019年の年末から中国武漢市で発生したとされる、新型肺炎です。

世界保健機関（WHO）のQ＆Aによれば、潜伏期間は1-12.5日（多くは５-6日）とされています。

参照：新型コロナウイルスに関するQ&A（一般の方向け）（厚生労働省）

また他のコロナウイルスの情報などから、感染者は14日間の健康状態の観察が推奨されています。

感染方法は、飛沫感染（ひまつかんせん）と接触感染の２つが考えられており、満員電車や電車のつり革などからも感染する可能性があるウイルスです。

ただ国内で感染が確認された方のうち、重症・軽症に関わらず約80％の方は、他の人に感染させていないとされ、高齢者が重症化する割合が高いです。

新型コロナウイルスに感染したら引越しはできないのか

もし新型コロナウイルスに感染した場合や、感染の疑いがある場合の、引越しへの影響についてご説明します。

法律上で引越しは禁止されていない

インフルエンザなどを発症した場合、学校への出席は法律（学校保健法）により禁止されています。

しかし（記事執筆時点において）、新型コロナウイルスに感染しても引越しが禁止となる規定等はありません。

そのため感染したとしても引越しは可能となりますが、新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合には、各都道府県が公表している帰国者・接触者相談センターにご相談してください。

都道府県の自粛要請で引越しが中止になる可能性

東京都は2020年3月26日に週末の不要不急の外出を控えるように、都民に自粛要請を行いました。

また東京都に隣接する、神奈川県・千葉県・埼玉県などの県も東京都への外出を自粛するよう要請しております。

『不要不急』とは、重要でも急ぎでもないことを意味します。

引越しが不要不急に該当するか否かは明確に提示されていませんので、個々に判断しなければならず、行政は引越し業者に作業中止を要請している話は現時点（※）ではありません。

また自粛業種に引越し業者は含まれておりません。

※2020年5月15日時点

しかし今後爆発的に新型コロナウイルスが蔓延すれば、外出禁止令が出る可能性もありますので、最新情報は常にチェックしてください。

新型肺炎もインフルエンザと同様に自己都合キャンセル扱いの可能性

インフルエンザにより引越しが困難になり、引越しをキャンセルする場合には、自己都合での中止扱いになります。

これと同様に、コロナウイルスにかかって引越しをキャンセルする場合、自己都合でのキャンセル扱いとなる可能性が非常に高いです。

キャンセル料については、標準引越運送約款により規定されており、引越し前々日から違約金の支払い規定があります。

標準引越運送約款
（解約手数料又は延期手数料等）
第二十一条　当店が、解約手数料又は延期手数料を請求する場合は、その解約又は受取日の 延期の原因が荷送人の責任によるものであって、解約又は受取日の延期の指図が見積書に 記載した受取日の前々日、前日又は当日に行われたときに限ります。ただし、第三条第七項の 規定による確認を行わなかった場合には、解約手数料又は延期手数料を請求しません。
２　前項の解約手数料又は延期手数料の額は、次の各号のとおりとします。
一　見積書に記載した受取日の前々日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき 見積運賃等（料金にあっては、積込み、取卸し、搬出、搬入、荷造り及び開梱に要するもの に限る。次号及び第三号において同じ。）の二十パーセント以内
二　見積書に記載した受取日の前日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき 見積運賃等の三十パーセント以内
三　見積書に記載した受取日の当日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき 見積運賃等の五十パーセント以内
３　解約の原因が荷送人の責任による場合には、解約手数料とは別に、当店が既に実施し、又は着手した附帯サービスに要した費用（見積書に明記したものに限る。）を収受します。
４　第一項ただし書の規定は、前項の費用の収受について準用します。

なお

• 具体的なキャンセル料金
• コロナウイルスにかかった場合の対応

については、引越し業者によって異なりますので、依頼をした引越し業者に確認してください。

引越しキャンセル料金はいつから発生？曜日変更時の違約金にも注意！引越しする直前に引越し業者への依頼をキャンセルすると違約金が発生します。 転勤により引越し先から通勤することが困難になったり、引越し先の前入居者が立ち退かないために引越しできないことは意外と多いです。 急遽引越しが中止になれば、引越し業者にキャンセルの連絡をしなければいけません。 ただ早めに中止の連絡をすれば違約金を支払わずに済みますので、違約金が発生する時期や金額について解説します！...

引越し業者の新型ウイルスへの対応については予約段階で確認すること

新型コロナウイルス以外にも、インフルエンザやその他のトラブルによって引越しが困難になる可能性はあります。

そのため引越し業者に予約をする段階で、万が一のケースを想定して確認することも必要です。

引越しする際に新型肺炎対策で気を付けること

自分は新型コロナウイルスに感染していないくても、周囲に感染者がいないとは限りません。

そのため引越し時には、自分の身を守るための新型肺炎対策も必要です。

引越し中は必ずマスクを着用すること

新型コロナウイルスに限らず、風邪を引いている場合には、マスクは着用しましょう。

マスクによるウイルス感染の予防効果は、換気が不十分な場所では効果があるとされています。

引越しは換気がしにくい屋内作業が多くなりますので、マスクは着用したほうがいいです。

問11 マスクをした方がよいのはどのような時ですか？

マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ効果が高いとされています。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクをつけましょう。
予防用にマスクを着用することは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられますが、屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる効果はあまり認められていません。

出典：新型コロナウイルスに関するQ&A（一般の方向け）（厚生労働省）

またマスクは、風邪の予防以外にも荷物の運搬時の埃から喉を守れるので、着用することをオススメします。

万が一感染した際は引越し作業に代理人を立てること

引越しする本人がインフルエンザなど感染した場合、本人が引越しに立ち会うのが難しくなります。

そのため引越し当日は代理人を立て、代わりに引越し業者の作業に立ち会ってもらうことも検討してください。

また新型コロナウイルスに感染した場合、引越し業者が作業をしてくれるかは、業者ごとに異なる可能性があります。

今後引越し業者が社内規定により、新型コロナウイルスに感染した人の引越しを行わないなどの措置をとることも考えられます。

そのため新型コロナウイルスに感染した際には、引越し業者に連絡し、代理人を立てての引越しが可能なのか改めてお聞きください。

なお一般的にコロナウイルスは、荷物などに付着しても長時間生き残れないとされています。

また荷物などから新型コロナウイルスに感染した疫学的情報も、執筆時点ではありません。

問22 中国やウイルスが見つかったその他の場所から送られてくる手紙や輸入食品などの荷物により感染しますか？

現在のところ、中国やウイルスが見つかったその他の場所から積み出された物品との接触から人が新型コロナウイルスに感染したという疫学的情報はありません。ＷＨＯも、一般的にコロナウイルスは、手紙や荷物のような物で長期間生き残ることができないとしています。

出典：新型コロナウイルスに関するQ&A（一般の方向け）（厚生労働省）

大手引越し業者の新型コロナウイルスへの対応

大手引越し業者の、新型コロナウイルスへの対応状況についてまとめました。

随時情報は更新しますが、最新情報は各引越し業者の公式HPでご確認ください。

令和2年4月8日更新

サカイ引越センター

2020年4月24日付で、『新型コロナウイルス感染症に対する当社の取り組みについて』が掲載されております。

今のところ引越しサービスが中止になることはなく、継続しています。

新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大および緊急事態宣言などの発出を受け、弊社で
は政府、自治体、関係諸機関から示される正確な情報の収集に努めつつ、お客様・従業員
の安全を最優先にサービスを継続しております。

出典：新型コロナウイルス感染症に対する当社の取り組みについて

 

ハート引越センター

ハート引越センターは、2020年2月27日付で「 新型コロナウイルスの感染予防策に関して」として、社内外の感染拡大の防止対策を公表しております。

また2020年3月31日に追記されていますが、引越しサービスは継続して行われています。

当社では最も感染拡大のリスクを高めると言われている「密閉」、「密集」、「密接」には該
当しないと判断し、現時点ではお客様のご要望に沿って、予定通りの作業を遂行いたします。
尚、今後も行政からの発令に合わせて対応方針を迅速に決定してまいります。

出典：※3/31 更新【 新型コロナウイルスの感染予防策に関して 】

出典： 新型コロナウイルスの感染予防策に関して

また4月8日時点では、自粛について公式サイトで発表はありません。

ダック引越しセンター

当サイトが2020年5月2日に確認した時点では、新型コロナウイルスに関する情報はありませんでした。

アート引越センター

アート引越センターでは、可能な限り引越しサービスの対応を行うとしています。

【緊急事態宣言を受けての弊社の対応について】

4月7日に発令された緊急事態宣言を受け、弊社ではお客さまの新生活に影響が出ることがないよう、お客さまおよび従業員、関係者の皆さまの健康リスクの軽減、感染拡大防止を最優先にしながら、可能な限りお客さまのご要望にお応えいたします。
また、お客さまおよび従業員、関係者の皆さまの安心・安全確保の観点から、マスク着用・手洗い・うがいの徹底、換気等に努めてまいります。ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

出典：アート引越センター

 

アーク引越センター

アーク引越センターでは、感染リスクの軽減に最大限務努めて、引越しサービスを継続するとしています。

【新型コロナウイルスによる緊急事態宣言への弊社の対応について】
令和2年4月7日に政府より発令されました緊急事態宣言を受けまして、弊社は全従業員を対象に行っています「毎日の体温計測」「マスクの着用」「手洗い・うがいの励行」「室内換気」などを引続き実施し、感染リスクの軽減に最大限、努めてまいります。
また、少しでもお客様の新生活スタートへの支えとなりますよう従業員一同、精一杯取組んでまいりますので、お客様のご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

出典：アーク引越センター

 

アップル引越センター

アップル引越センターでは、2020年2月28日に「新型コロナウィルスに対する当社の対応について」として対応内容を公表しています。

1.勤務形態、会議について
・基礎疾患、妊娠中等、新型肺炎罹患に留意する必要のあるスタッフの出勤停止、在宅勤務
・時差通勤の励行
・直行直帰の励行
・来客はできるだけ控え、会議が必要な場合はオンライン会議や電話で対応する

2.その他
・マスク着用の推奨
・出勤時・外出後の帰社時、帰宅時の手洗い、うがい、アルコール消毒の励行
・出勤時の検温（37.5度以上の場合は即帰宅、自宅待機）
・身近に感染者または濃厚接触者と認定された人がいる場合は、その旨を会社に報告
・人が集まる場所（混雑した電車、イベント、施設）を避けて行動をすること
・体調管理の徹底（十分な睡眠・休養、栄養摂取、規則正しい生活）、不調を察知したら速やかに上長に相談

新型コロナウィルスに対する当社の対応について

また令和2年3月26日にQ＆Aが更新されています。

トラブルなどにしっかり対応してくれる引越し業者の選び方

引越しの際、トラブルの原因となるのが、引越し業者の対応です。

引越し費用は格安でも、引越し対応が悪ければトラブル発生時に大変です。

また初めて引越しする人や、久しぶりに引越しする人が引越し業者を見極めることはできません。

そのため引越し業者選びは、『引越し一括見積もりサイト』の利用をオススメします。

引越し一括見積もりサイトとは

引越し一括見積もりサイトとは、引越し業者を選定するプロ。

引越しする人に代わりに、複数の引越し業者に見積もりを取りますので、引越し費用を安くすることが可能です。

サイト選び１：引越し見積もりは素早く行ってくれるのか

自分で複数の引越し業者に見積もり依頼をすると、意外と時間がかかります。

しかし引越し一括見積もりサイトは、複数の引越し業者から引越し費用の見積もり集めるので、引越しする人が時間をかけずに値段の比較ができます。

ただサイトによっては、申し込んでから数日後に見積もりの回答があることもありますので要注意。

なぜなら、回答までに時間がかかれば、その分引越し日時の予約は埋まってしまいます。

そのため1日でも早く、見積もりを出してくれるサイトを選びましょう。

サイト選び２：専門の担当者が引越し業者に査定依頼をしているか

引越し一括見積もりサイトは、サイトによって引越し業者選び方はいろいろあります。

たとえば引越し見積もりの申し込みしてから、すぐに査定結果を出すサイトもあり、一見すると便利です。

ただ瞬間的に見積もり結果が出せるのは、あらかじめ金額が決まっているからであり、申し込みをしてから引越し業者と値段交渉をしているわけではありません。

また値段交渉する担当者が専門でない場合、引越し業者との交渉による費用値下がりも期待するのも難しいです。

そのため引越し一括見積もりサイトが、交渉担当者を用意しているかもポイントです。

サイト選び３：安心できる引越し業者に依頼しているか

全国には数千もの引越し業者が存在し、引越し一括見積もりサイトも全部の引越し業者と値段交渉はできません。

そのため引越し一括見積もりサイトでは、事前に交渉する引越し業者を選定し、その中の業者と引越し費用の値段交渉をします。

注意点は、選別した引越し業者の質が良くないと、対応が悪い引越し業者に依頼する可能性があること。

なので引越し一括見積もりサイトが、質の高い引越し業者のみと値段交渉をしているかも確認してください。

新型コロナウイルスの情報は国のサイトを確認すること

新型コロナウイルスについては、まだまだ解明できていない部分が多いです。

そのため常に最新の情報を確認するとともに、厚生労働省など発信元が確認できるサイトから新型コロナウイルスの情報は入手してください。

なお引越しシーズンである3月から4月にかけては、引越し予約が大変取りにくい状況が予想されます。

引越し業者の従業員が感染した場合、作業担当者の人数が減少し、引越し業者が対応する件数を絞る可能性がありますので、早めに予約することをオススメします。

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