引越しするために準備していても、転勤により引越し先から通勤することが困難になったり、引越し先の前入居者が立ち退かないために引越しできないことがあります。
急遽引越しが中止になれば、引越し業者にキャンセルの連絡をしますが、引越し直前にキャンセルすると違約金を支払うことに。
そのため引越しキャンセル料金が、いつのタイミングから発生するかを把握しておかないと、思わぬ出費を支払うことになりますので、ご注意ください。
引越し費用のキャンセル料金は必ず支払わなければいけないのか
引越しのキャンセル料金は、必ず支払うものではありません。
事前に引越し中止になることが分かっていれば、キャンセルの連絡をするだけで違約金を支払わずに済むケースもあります。
引越しのキャンセル料金は国土交通省が規定している
引越しのキャンセル料金は、国土交通省が定める『標準引越運送約款』により決まっています。
そのため依頼する引越し業者に関わらず、違約金が発生するタイミングは固定されています。
標準引越運送約款(平成31年4月1日以降に見積書を発行するものに適用)
(解約手数料又は延期手数料等)
第二十一条 当店が、解約手数料又は延期手数料を請求する場合は、その解約
又は受取日の延期の原因が荷送人の責任によるものであって、解約又は受取
日の延期の指図が見積書に記載した受取日の前々日、前日又は当日に行われ
たときに限ります。ただし、第三条第七項の規定による確認を行わなかった
場合には、解約手数料又は延期手数料を請求しません。
2 前項の解約手数料又は延期手数料の額は、次の各号のとおりとします。
一 見積書に記載した受取日の前々日に解約又は受取日の延期の指図をした
とき 見積運賃等(料金にあっては、積込み、取卸し、搬出、搬入、荷造
り及び開梱
こん
に要するものに限る。次号及び第三号において同じ。)の二十
パーセント以内
二 見積書に記載した受取日の前日に解約又は受取日の延期の指図をしたと
き 見積運賃等の三十パーセント以内
三 見積書に記載した受取日の当日に解約又は受取日の延期の指図をしたと
き 見積運賃等の五十パーセント以内
3 解約の原因が荷送人の責任による場合には、解約手数料とは別に、当店が
既に実施し、又は着手した附帯サービスに要した費用(見積書に明記したも
のに限る。)を収受します。
4 第一項ただし書の規定は、前項の費用の収受について準用します。出典:国土交通省
引越し日の3日前までならキャンセル料金は発生しない
『標準引越運送約款』では、違約金は引越し前々日より発生すると規定しているため、引越し3日前までに連絡すれば違約金を支払わずに済みます。
ただオプションや段ボールの支給など、引越し当日以前からすでにサービスの提供を受けている場合には、違約金が発生したり段ボールの返却を要求されることもありますので、ご注意ください。
3日前までに引越し業者から連絡がなければキャンセル料は不要
引越し自体は行う場合でも、引越し内容(オプション)を変更する可能性はあります。
引越し業者は、事前に作成した見積書に記載された内容に変更が無いことを、引越し日の3日前までに確認しなければなりません。
この確認作業は、引越運送約款によって定められており、引越し業者が3日前までに確認しなかった場合には、依頼主はキャンセルや、延期の手数料を支払う必要はないとされています。
引越運送約款
第二十一条第一項(解約手数料又は延期手数料等)
❝ただし、第三条第七項の規定による確認を行わなかった場合には、解約手数料又は延期手数料を請求しません。❞
第三条第七項(見積り)
❝当店は、見積書に記載した荷物の受取日の三日前までに、申込者に対し
て、見積書の記載内容の変更の有無等について確認を行います。❞
引越しキャンセル日と違約金の金額
次に引越しキャンセルしたタイミングごとの、違約金の金額についてご説明します。
引越し前々日のキャンセル料金は引越し費用の20%
引越し見積もり書に記載された、受取日(引越し日)の前々日に引越しキャンセルを行った場合、引越し費用の20%が違約金として請求されます。
体調不良など、急に引越しできなくなった場合には、一日でも早くキャンセルしてください。
引越し前日のキャンセル料金は引越し費用の30%
引越し見積もり書に記載された、受取日(引越し日)の前日に引越しキャンセルを行った場合、引越し費用の30%が違約金として請求されます。
引越し前日と引越し当日では違約金の金額が異なり、前日の方が安いですので、可能な限り前日までに連絡をしましょう。
なお引越し業者によって営業時間が違いますので、引越し中止が確定した時点ですぐにキャンセル手続きをしてください。
引越し当日のキャンル料金は、引越し費用の50%
引越し見積もり書に記載された、受取日(引越し日)の当日に引越しキャンセルを行った場合、引越し費用の50%が違約金として請求されます。
無断キャンセルは、引越し業者にも失礼になりますので、当日に引越しを中止する場合でも必ずキャンセル手続きは行ってください。
引越し日の変更も引越しキャンセルと同じ扱い
引越し日の変更は、引越しキャンセルと同じ扱いです。
そのため引越し前々日に引越し日を変更の連絡をすれば、引越し費用の20%を追加で支払うことになります。
また引越し延期をする際、引越し料金が変更になる可能性もありますので、延期の連絡をする時、引越し業者に確認してください。
引越し延期は引越しキャンセルと同様に違約金を支払うことになる
引越し業者独自の約款規定が存在する場合には要注意
引越運送約款は国土交通省が定めた規定ですが、引越し業者が独自で約款(規則)を規定している場合があります。
独自の約款が存在する場合には、キャンセルや延期の際の対応は、そちらに基づき行われる可能性があります。
しっかり引越し見積もりを出された際に規約等含め、ご注意ください。
引越しキャンセル料金のよくある質問
それでは引越しキャンセルをする際の、よくある質問にお答えします。
引越し日時を変更したい場合、キャンセル料金は発生するのか
引越し日の変更は、キャンセルと同じ扱いです。
引越し日の3日前までに連絡すれば、違約金は発生しませんが、前々日からはキャンセルしない場合でも違約金を支払うことになります。
引越し当日に天候不順だった場合のキャンセル料金
標準引越運送約款によると、キャンセル料金は引越しする人の責任(申し出)により、引越しが中止・延期の際に支払うと規定されています。
そのため引越し業者から、引越し作業の中止の申し出があった場合には、違約金は発生しません。
また引越し業者は、一定の事情がある場合には引越し作業の拒否ができます。
(引受拒絶)
第四条 当店は、次の各号の一に該当する場合には、引越運送の引受けを拒絶
することがあります。
一 運送の申込みがこの約款によらないものであるとき。
二 運送に適する設備がないとき。
三 運送に関し申込者から特別の負担を求められたとき。
四 運送が法令の規定又は公の秩序若しくは善良の風俗に反するものである
とき。
五 天災その他やむを得ない事由があるとき。出典:引越約款
なお台風などの災害が発生した場合、「いつまでに引越し中止の連絡をするか」などの規定は引越約款にはありません。
したがって引越し見積もりの時に、引越し業者に中止連絡のタイミングを確認しておきましょう。
引越し作業用にもらった段ボールの返却は必要なのか
引越し作業用に引越し業者からもらった段ボールなどについては、引越しキャンセルをした段階で請求されます。
たとえば引越し業者『ハート引越センター』では、段ボールの大きさや個数に応じて、違約金を支払うことになります。
・お申込みの解約・延期に関しまして、下記の場合手数料を請求いたします。(引越約款第21条第2項)
受取日前々日の解約・延期の場合は 見積書に記載した運賃の20%以内
受取日前日の解約・延期の場合は 見積書に記載した運賃の30%以内
受取日当日の解約・延期の場合は 見積書に記載した運賃の50%以内
解約の場合、それまでに実施した作業、使用された資材等は全額請求いたします。
(サービス資材も含みます。)
・ダンボールS330円、M385円、和440円、テープ330円(すべて税込)
・当社にてお渡しした資材の引き揚げをご希望の場合、手数料として3,300円(税込)申し受けます。
新型コロナウイルスで引越しを中止する場合のキャンセル料
本記事を作成している時点(2021年4月2日)では、新型コロナウイルスによる引越し自粛要請は出ておりません。
そのため引越し依頼側が中止を申し出た場合には、通常のキャンセルと同様に違約金を支払うことになります。
ただ今後新型コロナウイルス感染が拡大した場合、引越し業者が作業を行えない可能性も出てきますので、中止となる際の対応については引越し業者と確認してください。
引越しキャンセルの連絡方法
引越しキャンセル方法は、引越し業者によって異なりますが、電話によるキャンセルが一般的です。
引越しキャンセルの連絡は、引越し見積もりを行った担当者に連絡するのが確実ですが、特定の窓口が用意されている場合には、そちらに連絡してください。
キャンセル連絡をした際、後々のトラブルに避けるために、キャンセルの連絡をした日時と対応した担当者の氏名は、メモとして残しておきましょう。
キャンセル料金の支払い方法
引越しキャンセル料金の支払い方法は、引越約款で規定されていませんので、引越し業者によって支払い方法が異なります。
引越し料金の支払いのタイミングは、引越し作業当日にが多いため、作業開始前に現金で料金を支払うケースが多いです。
ただ引越しをキャンセルした場合には、業者が違約金を回収するためだけに来るとは限りませんので、銀行振込などにより支払うケースもあります。
引越しのキャンセル料金についてのまとめ
引越しのキャンセル料金についてのまとめ、と以下の通りです。
- 引越し3日前までならキャンセル料金は発生しない
- キャンセル料金は引越約款で規定されている
- 段ボールなどの諸費用は請求される
- 引越し業者からの中止の申し出であれば違約金は発生しない
引越しキャンセル料金は、引越約款で規定されいますので、それ以上の違約金を請求されることはありません。
万が一請求された場合には、引越し業者に引越約款によりキャンセル料が規定されていることの説明や、消費生活センターなどに問い合わせすることをオススメします。
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