役所に提出する書類は何かと多いです。
令和になっても未だにFAXを利用するお役所なので、残念ながら電子印鑑はまだ使用できませんし、使用できるハンコにも種類があります。
一方で実は印鑑を必要としない役所の書類もありますので、今回は引越し時に印鑑が必要となる役所手続きについて解説します。
役所の書類は法律で押印が義務づけられているケースが多い
海外では書類に印鑑ではなくサインをするのが一般的で、押印自体の効果に疑問持っている方は少なくないと思います。
役所の書類に印鑑を押す最大の理由は、押印することが法令で規定されているからです。
たとえば所得税の確定申告書は、国税通則法により押印をしなければなりません。
国税通則法第124条2 税務書類には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が押印しなければならない。一 当該税務書類を提出する者が法人である場合 当該法人の代表者二 納税管理人又は代理人によつて当該税務書類を提出する場合 当該納税管理人又は代理人三 不服申立人が総代を通じて当該税務書類を提出する場合 当該総代四 前三号に掲げる場合以外の場合 当該税務書類を提出する者
税務署以外でも、役所の手続きする書類への押印は、法律などで指定されていることが多いため、たとえ形式的であってもハンコを押す必要があります。
電子印鑑は法律が改正されないと使用できない
法律で押印が必要とされている書類で電子印鑑を使用するためには、電子印鑑が使用できるように法律を改正しなければなりません。
所得税の確定申告書をe-Taxで申告する場合、署名押印に代わる措置として電子署名が必要になる規定が定められています。
そのため現在電子印鑑が許可されていない手続きは、法律が改正されるまで、従来通り押印することになります。
引越しの役所手続きの際に印鑑は必須
引越し時には、これだけの手続きを役所でやらなくてはならず、基本的に印鑑は必要になると考えましょう。
- 転出届
- 転入届
- 転居届
- マイナンバー
- 印鑑登録
- 国民健康保険
- 国民年金
- 介護保険被保険者証
- 高齢受給者証
- 後期高齢者医療保険者証
- 子どもの転校手続き(転校届)
- 母子手帳
- 子ども(児童)手当
- 犬の登録住所変更
- バイク(排気量125cc以下)
※人によって不要となる手続きもあります。
100円均一などで購入したハンコを押すことに意味が無いと思うかもしれません。
しかし提出書類に押印がないだけで、書類を受けて付けてくれない自治体もありますので注意しましょう。

押印義務が無い役所の書類も意外と多い
役所で提出する書類や申請書類は多いですが、そのすべてに押印義務があるわけではありません。
一部の自治体では、押印をしなくても申請書が手続き可能になるよう、見直しをしている場所もあります。
申請書等の押印見直しについて
市では、印鑑を持参しなくても申請等の手続きができるよう、平成26年6月から順次、押印の義務付けを一部廃止しました。これまで、押印をいただいていたものを署名とするなど、市への申請がより簡単になります。
なお、国の法令などで押印の義務付けがある場合は、引き続き押印が必要となります。
出典:千葉市
ただこのように押印の見直しをしている自治体は一部であり、押印が習慣化しているため、何かと印鑑を求めてくるのが役所の手続きです。
押印義務が無い書類の場合、押印を求められても拒むことも可能です。
ただ押印を拒んだ場合、申請書などの提出を受け付けてくれない可能性もあるため、トラブルや時間を無駄にしないためにも、印鑑も押した方が無難といえます。
シャチハタは役所手続きでは使用不可

引越し時の役所手続きで使用する印鑑は、実印ではなく認印で大丈夫です。
認印とは、100円均一などでも販売している「朱肉を使用して押印する印鑑」をいい、シャチハタのようなゴム印を認印として使用することはできません。
ゴム印式のハンコが利用できない理由としては、スタンプ式は表面がゴム製なので、印影が変形する恐れがあるからとされています。
なおシャチハタは、シヤチハタ社の会社名から由来するもので、シャチハタ禁止となっている書類は、ゴム印も使えないと考えてください。
役所で使用する印鑑と電子化についてのまとめ
役所手続きが電子化により印鑑不要となるためには法改正が必要になるケースが多く、現時点で引越しなどを予定されている方は、印鑑が必要だと認識してください。
また役所で使用する印鑑は認印で問題ありませんが、シャチハタなどスタンプ式のハンコを使うのは止めましょう。
シャチハタを使っても、柔軟に対応してくれる自治体もあるかもしれません。
しかし厳格に手続きを行う役所は、シャチハタの押印に妥協しませんので、時間を掛けないためにも認印を持参して手続きしてください。

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