Wi-Fiの速度が遅くなったり、うまく接続できなくなった場合、ルーターに原因があるかもしれません。
せっかく光回線を開通させても、Wi-Fiルーターが古ければ高速通信は実現しませんし、不具合が生じている可能性もあります。
本記事では、Wi-Fiルーターを原因とするインターネットが遅くなる理由と、解決方法についてご説明します。
Wi-Fiルーター原因でインターネット回線が遅くなる3つの理由
Wi-Fiルーターが原因で起こるインターネット回線のトラブルは、3種類考えられます。
- 周波数の種類が少ない
- 周波数が届かない
- 同時接続台数が少ない
複数の原因を抱えている場合もありますので、3種類とも確認してください。
電波干渉してPCやスマホにうまく接続できない
Wi-Fiを利用する場合には、ルーターから発する周波数をパソコンやスマホがキャッチすることでインターネット回線と接続できます。
周波数には2.4GHz帯と5GHz帯が存在するのですが、それぞれの周波数には特徴があります。
Wi-Fiルーターが使用する周波数帯(2.4GHz帯と5GHz帯)のそれぞれ特徴は下記をご確認ください。
周波数帯 2.4GHz帯 5GHz帯 無線規格 11ax/11n/11g/11b 11ax/11ac/11n/11a メリット ・5GHzよりも電波が遠くまで届く ・他の無線との干渉が少ないため、通信が安定している デメリット ・同じ周波数帯の機器(Wi-Fiルーター、電子レンジ、Bluetooth、電話機など)が多く存在するため、電波干渉しやすく、通信が不安定になりやすい ・壁や天井などの障害物に弱い
・通信距離が長くなると電波が弱くなる出典:Wi-Fiルーターの周波数帯(2.4GHz帯/5GHz帯)の違いについて(BUFFALO)
どちらの周波数を利用してもインターネット接続は可能ですが、問題になるのは周辺機器との電波干渉です。
電波干渉とは、同じ周波数帯の電波同士がぶつかり、うまく周波数をキャッチできない状態をいいます。
たとえば電子レンジを利用すると2.4GHz帯の電波が発生するため、Wi-Fiルーターが2.4GHz帯を使用している場合には電波干渉が起きる可能性があります。
Wi-Fiルーターが5GHz帯を利用できる機種なら問題ありません。
しかしルーターが5GHz帯に対応していなかったり、ルーターが古いと5GHz帯を利用できませんので、ご注意ください。
Wi-Fiルーターから発信される電波が弱くてうまく接続できない
パソコンでインターネットを利用する場合には、ルーターから有線を直接接続することが可能です。
ただスマホは有線で繋ぐことはできませんので、Wi-Fiルーターから発する電波をキャッチする必要があります。
Wi-Fiルーターから発する電波の飛び方には規則性があり、変な方向に電波を飛ばしてしまうと、うまく接続できません。
また周波数によって、飛び方が異なりますので、Wi-Fiルーターの近くに障害物があるだけでも電波が弱くなってしまうケースもあります。
Wi-Fiルーターによっては、電波を飛ばす方法の指定ができるものもありますが、安価なルーターや古い機種だと複数の方向に電波を飛ばすことはできません。
もし安定したWi-Fi通信をしたい!という方は、下記ルーターのように最新式で、なおかつ安定したルーターを選択すると良いでしょう。
Wi-Fiルーターに同時接続できる台数が少ない
Wi-Fiルーターには同時接続台数が設定されており、上限の台数を超えてインターネット回線と接続はできません。
一人暮らしの場合、10種類を超える機器と接続することはあまり考えられません。
しかし家族で生活している家庭では、同時に10台20台の機器とインターネットを接続する可能性は考えられます。
そのため接続上限に達した場合には、使っていない機器との接続を遮断してください。
ルーターの遅いインターネット回線の速度を改善する3つの方法
Wi-Fiルーターが原因で通信速度が低下する原因を説明しましたので、次に遅くなった回線速度を改善する方法を3種類ご紹介します。
- Wi-Fiルーターの設置場所を調整
- Wi-Fiルーターを買い換える
- 有線で接続する
改善方法①:ルーターの周りに家電製品を設置しない
インターネット環境を改善するためには、電波干渉をしない環境作りが大切です。
同じ周波数を出す機器が近くにあると電波干渉を起こしやすいですので、ルーターと家電製品の位置を話すなどの工夫をしてください。
また所有しているWi-Fiルーターが2.4GHz帯と5GHz帯の周波数を利用できる機器であれば、5GHz帯の周波数を設定することで干渉を解することも可能です。
注意点としては、5GHz帯は2.4GHz帯よりも電波の届く距離が短いですので、ルーターから近い位置でインターネットを利用しましょう。
また接続機器によっては、5GHz帯に対応していないものもありますので、対応周波数は確認が必要です。
改善方法②:Wi-Fiルーターを買い換える
Wi-Fiルーターは日々進化しており、Wi-Fiと接続しやすい機種も多く存在します。
電波がキャッチしやすいかの目安として利用されるのが、アンテナ(ストリーム)の本数でです。
ストリームを例えるなら、道路の車線数。
車線数が多い道路は、車が多くても渋滞しませんが、車線数が少なければ走行する車が増えれば渋滞が発生します。
ストリーム数「1×1」と「4×4」の種類のルーターを車線で表すとすれば、「1×1」は1車線道路、「4×4」は4車線道路くらいの差があります。
したがって、ストリーム数「4×4」の方が、快適にインターネットを利用できるルーターです。
なお一人暮らしの人や、同時接続する台数が少ない場合にはストリーム数が少なくても問題ありません。
ただ家族でそれぞれネット接続する場合など、同時接続する台数が多くなる際は、ストリーム数の多さもWi-Fiルーター選びの基準となります。
改善方法③:Wi-Fiルーターから有線で接続する
Wi-Fiルーターから有線で直接繋げば、電波干渉などを気にする必要はありません。
デスクトップパソコンやゲーム機器など、移動しない接続機器に関しては有線で繋いだ方が安定してインターネット回線を利用できます。
ただスマホは有線で接続できませんし、ルーター側も有線でつなげる本数に制限があります。
そのため同時接続する台数が多くなるケースにおいては、無線使用でも快適に利用できる環境作りをしましょう。
Wi-Fiルーターを調整しても通信速度が遅い場合の対処法
ルーター側を調整しても、インターネット回線が遅い場合には、以下の3点の要素も考慮する必要があります。
- インターネット回線の問題
- 接続機器側の問題
- プロバイダーの問題
回線が混雑して通信速度が低下している
いくらルーターが最新モデルだったとしても、供給されるインターネット回線の速度が遅ければ利用者側で改善するのは難しいです。
回線速度を改善するには、契約しているインターネット回線を変える(フレッツ光からauひかりなど)必要があります。
契約途中で解約は、違約金が発生かもしれないので注意が必要です。
ただ乗り換え先の回線で実施されているキャンペーンを適用すれば、違約金の負担を抑えることも可能です。
接続機器が5GHz帯の周波数に対応していない
インターネット回線の速度も良好で、ルーターのバッチリなのに通信速度が遅い場合には、接続機器側に問題があるかもしれません。
たとえば2.4GHz帯と5GHz帯を比較した場合、5GHz帯の方が高速でインターネットを利用できます。
しかし接続機器側が、2.4GHz帯のみにしか対応していないと、5GHz帯を利用しての接続ができません。
2.4GHz帯も決して不便が生じるほどの速度ではありませんが、更に高速通信を実現するためには、利用する機器側の買い換えも必要になります。
通信速度の安定性は契約しているプロバイダーが関係する
プロバイダー事業者は、インターネット回線を自宅で利用できるようにするための仲介業者のようなものです。
プロバイダーがしっかりしてれば、光回線を安定して供給してくれますが、トラブルが発生した場合にはインターネットが利用できなくなります。
インターネット回線はガスや水道と同じで、利用できない状態が発生するだけで非常に不便さを感じるものです。
月額料金が安いプロバイダーも魅力的ですが、トラブルが発生しやすかったり、トラブルの対応も悪かったりします。
そのため安定した通信速度を確保するために、少しだけ月額料金が高いプロバイダーと契約するのも、利用環境を整えるために検討する価値はあります。
Wi-Fiルーターが原因で通信速度が遅くなる理由のまとめ
Wi-Fiルーターが原因で、通信速度が遅くなってしまう理由についてのまとめです。
- 電波干渉が起きている
- 電波が届いていない
- 同時接続台数が少ない
インターネットの通信速度が遅い原因は、Wi-Fiルーター以外の可能性も考えられますが、Wi-Fiルーターが原因の速度低下であれば、自分で直すことも可能です。
ただWi-Fiルーターの状態や環境を改善しても、通信速度が変わらなかった時は、契約しているプロバイダーの変更も検討してください。