都市ガスの自由化は2017年4月から始まりました。
新規参入する事業者は、既存の都市ガス業者の設備を利用するため、切り替え後も従前と同様の使用感でガスを利用できます。
そのため料金プランの善し悪しで、都市ガスを選択できるようになりました。
今回は都市ガス自由化により、どれくらいの人が都市ガスに切り替えたのかについて解説します。
都市ガスへの新規参入状況
執筆時点では都市ガス自由化から約4年経過しており、その間に多くの事業者が都市ガス販売に新規参入しています。
都市ガスの自由化は、異業種からの新規参入だけでなく、既存のガス業者も他の地域の都市ガス販売を行えるようになりました。
ガス業界に新規参入してきた事業者
都市ガス自由化により、ガス小売事業の登録を行っている事業者は82者であり、その中で一般家庭へガス供給を行っている業者は35者です。(2020年10月20日現在)
ガス業界意外から都市ガス販売に参入した事業者もある一方で、都市ガス業者も他の地域でも都市ガス販売に参入しているのが特徴です。
ガス販売に参入した事業者
電気事業者
- 東北電力
- 東京電力エナジーパートナー
- 中部電力ミライズ
- 関西電力
- 四国電力
- 九州電力
- 北海道電力
旧一般ガス事業者
- 東京ガス
- 日本瓦斯
- 東彩ガス
- 東日本ガス
- 北日本ガス
LPガス事業者
- 河原実業
- レモンガス
- サイサン
- イワタニ長野
- 赤間商会
- ガスパル
- クリーンガス金沢
- 有限会社ファミリーガス
- 有限会社神崎ガス工業
- エネックス
- 三ツ輪商会
- 藤森プロパン商会
- 日東エネルギー
- 九石プロパンガス
- 宮崎商事
- いちたかガスワン
- 丸新
旧大口ガス事業者
- 朝日ガスエナジー
- 岩谷産業
- 三菱ケミカル
- テツゲン
- 仙台プロパン
- ネクストエネルギー
- 上越エネルギーサービス
- 東京ガスエンジニアリングソリューションズ
- 北陸天然瓦斯興業
- 合同資源
- 鈴与商事
- 鈴興
- 富山グリーンフードリサイクル
- 甲賀エナジー
- 近畿エア・ウォーター
- 小倉興産エネルギー
- 熊本みらいエル・エヌ・ジー
- 日本製鉄
- プログレッシブエナジー
- りゅうせき
旧ガス導管事業者
- ENEOS
- 石油資源開発
- 国際石油開発帝石
- 三愛石油
- 南遠州パイプライン
- エア・ウォーター
- 東北天然ガス
- エネロップ
- 筑後ガス圧送
その他の事業者
- 日本ファシリティー・ソリューション
- 豊富町
- ファミリーネット・ジャパン
- HTBエナジー
- イーレックス
- 中央電力
- CDエナジーダイレクト
- 関電エネルギーソリューション
- PinT
- エフビットコミュニケーションズ
- アストマックス・トレーディング
- イーエムアイ
- CSエナジーサービス
- びわ湖ブルーエナジー
- 島原Gエナジー
- ひむかエルエヌジー
- アースインフィニティ
- JERA
- テプコカスタマーサービス
- グローバルエンジニアリング
- T&Tエナジー
- 東京エナジーアライアンス
- ミツウロコグリーンエネルギー
- 伊藤忠エネクス
全国の都市ガス業界への参入状況
都市ガスは導管を通じてガス供給を行うため、電気と違い都市ガスは全国各地域で利用できるわけではありません。
新規参入した事業者と都市ガス契約できる地域は限られるため、住んでいるエリアによって都市ガスの選択肢にはバラツキがあります。
たとえば従来東京ガスが利用できたエリアには多くの事業者が参入していますが、東京ガス区域の中でも契約できる事業者は限られます。
都市ガスに積極的に参入しているのが大手電力会社です。
大手電力会社は、電気とガスのセット利用による割引プランを提案することで顧客獲得に努めています。
都市ガス販売自由化による契約の切り替え現状
2017年4月からの都市ガス自由化により、従来の都市ガス業者から乗り換えている人は増えています。
家庭用の新規小売のガス販売量は全体の11.3%
都市ガス自由化が始まった2017年4月からの最初の1年間で、新規小売りが占めるガス販売量は3.5%でした。(2018年6月時点)
しかし、新規小売りが占める割合は年々増加し、2020年6月のガス販売量においては、全体の11.3%を占めています。
1年単位ので平均で考えると、毎年3%以上新規参入者のガスを使用している計算になりますので、
都市ガスのスイッチング率は15.8%
ガスの使用量ではなくスイッチング率で確認すると、2020年9月末時点で家庭用のガス契約の変更は、契約数全体のおよそ15.8%です。
全国のスイッチング率では、近畿と中部・北陸エリアが高く、次いで関東エリアのスイッチング率が平均よりも高い水準となっています。
電力自由化の場合、切り替えが最も多かったのは関東(東京電力エリア)なので、地域によってガスと電気のスイッチング割合が違うのも特徴的です。
新電力へのスイッチング率(低圧契約)
都市ガス自由化によるガス料金への影響
都市ガス自由化は販売事業者の競争により、ガス料金を下げる目的があります。
そのため根本的な料金はもちろんのこと、ガスの料金プランにも変化がありました。
ガス料金プランの種類の増加
都市ガス自由化により、契約できるガス料金プランの選択肢が増加しました。
新たな料金プランが作られたのはもちろんのこと、セット割引やポイントサービスがあります。
またガス暖房など、特定のガス機器を利用する際の特別プランもあるため、用途に応じた適切な料金プランを選択できるようになりました。
- 新たな料金の創設
旭川ガス「子育て応援割」など - セット割引
河内長野ガス「スマート割料金(+KGBでんき)」など - ポイントサービス
岡山ガス「OGポイントサービス」など - 見える化サービス
北海道ガス「TagTag」など
都市自由化によるガス料金の引き下げ効果はあった
ガスは原料費の調達コストの変動により、料金が変化する性質があります。
そのため必ずしも、以前よりガス料金が安くなったとは言い切れません。
しかし都市ガス販売が自由化されたことで、料金の値下げが行われたのは事実です。
下記の図の右側の縦点線をご覧ください。
LNG輸入CIF価格は、点線の左右でほとんど同じ位置にあります。
しかし都市ガス価格は、点線を境に価格が下がっていることが確認できますので、都市ガス自由化により相対的な価格の値下がりが実現しています。
出典: 令和元年度エネルギーに関する年次報告(資源エネルギー庁)
都市ガス利用者が別の事業者に乗り換える場合
それでは現在都市ガスを利用している人が、新規事業者に乗り換える際の手続きと注意点について解説します。
既存の都市ガス設備はそのまま利用可能
都市ガス自由化により自由になったのは、ガスの販売部分だけであり、導管やガスの供給設備については都市ガス業者のものをそのまま利用します。
したがってガス業者を変更することで、供給が滞ったり大きなトラブルが発生することはありません。
WEB申し込みで手続きできる
都市ガスの乗り換え手続きは、WEBで申し込みが可能です。
都市ガス設備をそのまま利用するため、切り替えに際しての工事も必要ありません。
また契約する都市ガス業者によっては、いま契約しているガス業者への連絡を代わりにしてくれる場合もあります。
そのため乗り換え手続きだけすれば、都市ガスの切り替えが完了します。
電気とセット契約が前提の事業者もあるので注意
都市ガスの新規参入者の中には、電気とガスのセット利用が前提の事業者もあります。
たとえば楽天は楽天でんきと契約した人しか楽天ガスを利用できません。
また電気とガスをセットで利用してはじめて料金がお得になるケースもありますので、電気とガスはできるだけ一つの会社にまとめてください。
プロパンガスから都市ガスに切り替える場合の手続き
現在プロパンガスを利用している人が都市ガスに切り替えようと思っても、実際に変更できないケースもあります。
また切り替え可能であっても、コストが大きくなる可能性もありますのでご注意ください。
自宅までガス管が通っていないと利用できない
プロパンガスは、ガスボンベにガスを注入し運搬するため、プロパンガス業者が運べる場所であればどこの場所でも利用できます。
しかし都市ガスは導管を通じてガス供給を行うので、ガス管が自宅まで通っていないと利用することはできません。
また都市ガス普及率は全国で約46%(平成26年度)ですが、地域によって普及率は大きく異なります。
東京都や大阪府の普及率は80%を超える一方、東北や四国の都市ガス普及率はかなり低調です。
出典:電力及びガスの小売全面自由化について(経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会)
そのため住んでいる地域にガス管が配備されていなければ、都市ガスを利用する選択肢はありません。
ガス管引き込み費用が別途必要になる
自宅にガス管をひくためには、通常の工事費用とは別に費用が発生します。
自宅までガス管をひく距離によって費用は変わりますが、10万円以上かかるケースもあるため、都市ガスに切り替える際は長期的に利用することが前提となります。
賃貸物件の場合には都市ガス利用不可のケースも
賃貸物件の場合には、利用できるガスはあらかじめ決まっています。
住んでいる部屋ごとでガスを選べることは基本的にはないため、大家さんが都市ガスに切り替えない限り、プロパンガスから変更することは難しいです。
プロパンガスから新規参入したガス業者と契約はできない
都市ガスに新規参入した事業者は、既存の都市ガス業者の設備をそのまま利用しています。
したがって新規参入した事業者と契約する場合、現在使っているガスが都市ガスでないと契約できないケースもあります。
またプロパンガスで使用していたガス機器は、都市ガスに変更すると使えなくなりますので、新たに購入しなければなりません。
都市ガス自由化によるガス料金の変化についてのまとめ
都市ガス自由化したことによるガス料金の変化についてのまとめです。
- ガス料金プランの種類が増加した
- ガス料金が値下がりした
- スイッチング率は15.8%
- 新規参入した事業者数は地域によって異なる
新規参入した事業者に切り替える人は、毎年3%程度いますし、今後も増えていくことが予想されます。
現在契約している会社でも、契約するプランを見直すだけで料金がお得になることもあります。
そのため契約内容を確認し、電気とガスを同じ会社にまとめることもご検討ください。
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