さっきまで快適にインターネットを使えていたのに、急にインターネットの速度が遅くなった!なんて経験、ありませんか?
偶然という可能性もあります。スマホで動画を見ているときなど、一瞬動画が止まってしまうぐらいのことはたまに起こるものです。
このように一時的ものであれば問題ありませんが、頻繁に速度が低下したり繋がりにくくなることが起こるとしたら、その原因を解明する必要があります。
そこで本記事では、回線速度が急に遅くなる原因と、その解決方法について解説します。
Wi-Fi回線の種類で問題の解決方法は異なる
インターネットを利用する場合、通信回線と接続する必要があり、パソコン・スマホを快適に利用したいなら、基本的にWi-Fi環境が必要です。
- 光回線
- モバイルWi-Fi
- テザリング
3種類の中で最も高速でありながら、通信速度が安定しているのは光回線です。
モバイルWi-Fiは携帯可能なWi-Fiなので、外出先でも利用できのが特徴であり、セキュリティ面が不安なフリーWi-Fiを利用したくない喫茶店などで活用できます。
またテザリング機能は、スマートフォンを経由してインターネットを利用する方法で、Wi-Fi環境がない場所でパソコンを使用する際に役に立ちます。
いずれの機能も一長一短あり、インターネット回線が遅くなった場合の解決方法はそれぞれ異なりますので、自分が利用しているWi-Fi環境を最初に確認してください。
なお引越しを機にインターネット環境環境を変える方は、『決定版!一人暮らしでオススメできるインターネット回線!』をご覧ください。
光回線を利用中に通信速度が急に遅くなる原因
光回線は高速かつ安定してインターネットを利用できるシステムですが、それでも通信速度が低下することもあります。
ただ急に速度低下する場合には、原因は光回線ではなく利用者側の環境が影響している可能性もありますので、具体的に速度低下の原因と考えられる3つの項目について解説します。
- 光回線の設置環境
- 光回線を利用する時間帯
- 機器の故障・トラブル
原因①:ルーターと機器の間に障害物や遮蔽物がある
光回線を無線で利用する場合、スマホやパソコンなどの機器がルーターから発する電波をキャッチすることで、インターネットが利用できるようになります。
しかしルーターと機器の間に障害物や遮蔽物があると、機器側が発している電波をキャッチできないため、通信が遮断されたり速度が急に下がったりします。
光回線を利用している建物がコンクリート造の場合、隣の部屋まで電波が届きにくいです。
また家電製品など自ら周波数を発する機械が近くにあると、電波干渉を起こすケースもありますので物理的なネット環境作りも重要です。
対策としては、
- 障害物や遮蔽物を機器の近くに置かないこと
- 有線接続をする
の2点に取り組んでください。
ルーターと家電製品の設置場所を離せば電波干渉は防げますし、ルーターから有線ケーブルを伸ばしてパソコンに直接接続すれば、周囲の環境に影響されることはありません。
原因②:夜になると回線利用者が増加して速度が遅くなる
インターネット回線は、利用者が多くなるほど速度が遅くなる傾向にあります。
道路と車の関係を例として説明しますと、普段は空いている道路でも休日やゴールデンウィークなどは利用者が増加します。
車の量が増えれば道は混雑しますので渋滞し、目的地に到達するまでに時間がかかるのは実体験として誰しも持っているはずです。
インターネットも同様で、利用者多ければ渋滞という名の通信速度の低下が起こります。
実社会の道路は休日に渋滞しますが、インターネットの場合は利用者が増える時間帯である、平日の昼時と毎夜に渋滞が発生します。
平日の昼は、仕事のお昼休みでインターネット利用する人が一時的に多くなりますので、速度が低下します。
夜は自宅に帰宅後、動画やオンラインゲームなど、通信量が多い使い方をする人が増えますので、回線が混雑しやすいです。
またマンションなどの集合住宅の場合、同じ回線を複数の世帯がシェアしているケースもあり、同時接続している世帯が多くなればその分遅くなる可能性があります。
なお回線の混雑は、契約している会社によって左右されますので、契約会社自体を変更する必要があります。
ただ回線自体を変えるのは少し大変ですので、乗り換えるのは最終的な手段として考えましょう。
原因③:Wi-Fiルーターなど接続機器のトラブル
光回線自体にとくに問題がない場合でも、利用している機器やルーターなどの設備が故障していると、通信速度は低下する恐れがあります。
今までは問題なく利用できていたとしても、長らく使用していたことによる経年劣化で不具合が生じるケースは珍しくありません。
またルーター自体が古いと、反応や処理速度が遅くなることもあります。
Wi-Fiルーターを再起動するなど、一時的な措置で通信速度は回復するケースもあります。
ただ最新のルーターは、高速通信の対応をしている機種も多く、慢性的に通信速度が遅く鳴ってしまうときは、買い換えも検討してください。
モバイルWi-Fiを利用中に通信速度が急に遅くなる原因
モバイルWi-Fiは、屋内外問わずWi-Fiを利用できるメリットがありますが、光回線に比べると回線速度は安定していません。
そのため些細な事でも、通信速度が低下する可能性も考えられますので、使用する際は注意してください。
- 利用環境
- 速度制限
- 同時接続数
原因①:電波が弱い場所や遮蔽物がある
モバイルWi-Fiは外から電波をキャッチして利用できるようにする仕様のため、電波の届きにくい場所だとうまく接続できません。
たとえば電波が届きにくい山奥では圏外になることもありますし、室内でもコンクリート造で、遮蔽物があると電波が届かないケースもあります。
またWi-Fiルーターの無線と同様で、電子レンジなどの家電が近くにあると、電波干渉が発生して繋がりにくくなることも。
電波干渉の対策としては、家電をルーターから遠ざけるか、違う周波数を使って通信する方法があります。
家電製品は利用する際に2.4MHzの周波数を使っているものがほとんどですので、モバイルWi-Fiで5MHzの周波数を利用すれば、電波干渉が起こりにくくなります。
またモバイルWi-Fiび設置は電波が受信しやすい窓際に置き、その近くでパソコン・スマホを利用するなどの工夫をすることも大切です。
原因②:モバイルWi-Fiの通信速度制限の対象になっている
モバイルWi-Fiには、月に使える通信量の上限があるものや、無制限と広告しているものでも、一定量使用すると速度制限がかかるサービスは多いです。
月の通信量の上限を超えれば、通常時よりも遅い速度しか出ませんので、当然インターネット利用に不便が生じます。
また使用量無制限のモバイルWi-Fiでも、利用者が多くなると意図的に速度制限をしているケースがあります。
2020年は新型コロナウイルスの影響でモバイルWi-Fiの利用者が急増した年でした。
利用者の急増により予想以上の通信量を使用することになったため、契約上の理由から消費者がインターネットを実質利用できなくなってしまったモバイルWi-Fiもありました。
そのため確実な通信環境を確保したいのであれば、モバイルWi-Fiではなく、光回線を選びましょう。
原因③:モバイルWi-Fiの同時接続利用者が多い
一つのモバイルWi-Fiで複数のインターネット機器を利用することは可能ですが、利用台数には制限があります。
たとえばパソコンを繋いで同時にスマホ、タブレット、その他機器も繋いで……というのには制限があるわけです。
また同時利用する場合には、通信速度の容量を分け合うことになるため、光回線よりも速度が出ないモバイルWi-Fiでは、容量が足らなくなるケースもあります。
一人暮らしでそこまでインターネットを利用しない人は、光回線ではなくモバイルWi-Fiでも十分インターネットは利用できます。
しかし家族でインターネットを利用する人や、高画質で動画を視聴する人は通信料無制限の光回線の利用がオススメです。
テザリング機能を利用中に通信速度が急に遅くなる原因
テザリングは、Wi-Fi環境がない場所でインターネットを利用するときに重宝する機能ですが、普段使いとしてテザリングをメインに利用することはオススメできません。
またテザリング機能は、光回線やモバイルWi-Fiよりも回線速度は元々遅いので注意が必要です。
- 元々の通信速度
- スマホのデータ容量
原因①:テザリング機能は通信速度が遅い
テザリング通信は、そもそも光回線やモバイルWi-Fiよりも回線速度が遅いため、普段光回線を利用している人がテザリング機能を利用すると、急に速度が遅くなったように感じるかもしれません。
またスマホの電池も減りやすくなるため、外出先で長時間使用する際はモバイルバッテリーの携帯が必要になります。
原因②:スマホのデータ容量の制限がかかっている
テザリング機能は、スマホの機能の一つとしてありますので、テザリングによりインターネットを使っているとスマホの通信量が消費されます。
そのためスマホの容量はとても少ないため、テザリングを使って大量の通信量を消費すると、スマホの月額容量の上限を超え、通信制限がかかってしまうことも。
また最近のスマホの料金プランでは通信量無制限のプランも存在しますが、テザリングでの通信量には上限が設けられている場合もあります。
したがってテザリング機能を使う場合、通信速度や通信量をあまり気にする必要がない場合に使うことをオススメします。
インターネット回線の通信速度の低下を防ぐ3種類の方法
通信速度の低下する可能性を抑え、インターネットを快適に利用できるようにする3種類の方法をご紹介します。
通信速度を最優先するなら光回線を使うこと
3種類のインターネット利用方法を紹介しましたが、3種類の中でもっとも通信速度が安定するのは、間違いなく光回線です。
光回線でも通信速度が遅くなることはありますが、モバイルWi-Fiやテザリングよりも速度は安定します。
また元々の通信速度が高速なら、ある程度速度低下ならインターネットを使う上で支障はありません。
光回線の中でも特に回線速度が安定しているのは、auひかりです。
auひかりは、フレッツ光や光コラボとは別の方法で回線を利用できる仕組みがあるため、回線混雑が起こりにくいです。
インターネットを利用する周囲の環境を整える
光回線を無線で利用する場合、家電製品などとの電波干渉を考慮しないと、通信速度が低下する可能性もあります。
Wi-Fiルーターの設置する場所と家電製品の場所を離せば電波干渉は起こりにくいですし、使用する周波数を変更すれば、電波干渉は発生しません。
またパソコンやゲーム機器など、機器を動かす必要がないものは、有線で接続することにより通信速度を安定させることも可能です。
なおモバイルWi-Fiは電波を受信する関係上、鉄筋コンクリート内で使用する際は壁際に置く工夫をしてください。
インターネットを利用する時間帯を少しズラす
1日の中で利用者が増加するのは、20時から26時の間とされています。
そのため動画を視聴する人は、あらかじめ動画をダウンロードしてインターネットを使わない方法や、利用する時間を変えることで混雑を回避する方法もあります。
ただオンラインゲームなど、その時間にインターネットを利用する人は、時間を変えることはできませんので、その場合には光回線を利用したりWi-Fiルーターの強化を検討しましょう。
継続的に通信速度が遅くなった場合の原因と解決法
通信速度の低下が一時的なものではなく、通信速度が継続的に遅くなる場合には、根本的な問題を解決しないと通信速度は元に戻りません。
そのため通信速度が継続的に遅い場合における対処法を解説します。
なおサイトを閲覧したり動画を視聴する際は、下りの通信速度が重要であり、動画をアップロードする際は、上りの通信速度の速さによって要する時間が変わります。
下記↓のリンクから通信速度を計測できますので、目安にしてください。 インターネット回線の速度テスト(Fast.com)
インターネット回線事態にトラブルが発生している
インターネット回線は、契約しているプロバイダーやプランによって通信速度は変わります
光回線を大きく分類すると、NTT系・au系・NURO系の3種類です。
NTT系は、フレッツ光やコラボ光(ドコモ光・ソフトバンク光など)のことを指します。
NTT系は契約者が多いため、時間帯によっては利用者の増加により通信回線が混雑することもあります。
通信回線の混雑は先ほど紹介しました車の渋滞と同じで、通信速度低下の要因であり、NTT系は通信速度低下のリスクが他と比べて高いです。
一方で、au系やNURO系はNTT系と比べ契約している人数が少ないため、混雑する頻度が抑えられます。
また通信システム自体がNTTとは異なるため、時間帯によって急激に通信速度が低下する心配もありません。
利用機器が故障・トラブルによる速度低下
PC環境は基本的に最新OSに合わせて調整されますので、OSが古いと動作がもたついたり動かなかったりします。
2020年のWindowsの最新OSは『Windows10』です。
前OSのWindows7やWindows8に対応しているサービスであれば問題なく利用できるますが、古いOS対応は順次終了します。
※また、サポート終了しているOSはセキュリティ面でのリスクがあるので、極力サポート適用のOSに変えたほうが無難です。
また最新OSを使用している場合でも、定期的にアップデートは行われます。
アップデートの更新を無視して旧バージョンのまま使用し続けていると、旧OSを使用しているような不具合が発生する可能性も。
またOSに問題がなかった場合でも、パソコンが古ければ性能的な問題から高画質の動画は視聴できませんし、アップロード・ダウンロードにも時間がかかります。
パソコンは5年も古くなれ、旧世代になりますので、故障や不具合が起こっても不思議ではありません。
使用上に支障が出る程度まで接続機器にもたつきが出てきましたら、買い換えもご検討ください。
使用している有線ケーブルの破損・トラブル
有線ケーブル(LAN)にも規格があるのをご存じでしょうか。
使用しているケーブルが古い場合、光回線の速度を十分に発揮できていない可能性もあります。
また長期間に渡り使用している有線ケーブルは、経年劣化による破損・損傷リスクが高いです。
有線ケーブルは、外部から衝撃を加えると内部が破損するほど繊細であり、内部が壊れれば通信できなくなる恐れもあります。
ケーブルの形状が変わったり、折れ曲がりは破損の原因ですので、通信できなくなった際は買い換えも選択肢に入れてください。
引越し時のインターネット回線手続きのポイント
インターネット回線は住んでいる場所によって、通信環境が変わるため、現在の場所で問題なくインターネットを利用できていても、引越し先で回線が繋がりにくくなるケースはあります。
そこで引越し時における、インターネット回線手続きのポイントをご紹介します。
不動産業者に勧められる光回線は要注意
賃貸物件に引越す際、不動産業者から光回線の紹介を受けることがあります。
提示される光回線には特典や割引なのがあるかもしれません。
ただ自分で契約する回線を探して手続きする際の料金と比較すると、特典や割引率が少ないケースが多いです。
そのため引越し業者にお勧めされた光回線を利用する場合でも、WEBサイトから直接申し込みをした方がお得です。
光回線の引越し作業は遅くても1か月前までに
引越し先で光回線を利用する場合、引越し日の1か月前には引越し手続きをしてください。
光回線を乗り換える場合でも、現在利用している光回線を引き続き利用する場合であっても、引越し先で回線工事が必要となるため事前連絡は必須です。
また引越しするタイミングが3月や4月のシーズンなら、2か月前から予約が埋まっているケースもありますので、引越しした日からインターネット回線を利用したい場合は、最優先で申し込みをしましょう。
回線工事が間に合わない場合の対処法
急な引越しなどにより、光回線の工事が間に合わない場合は、モバイルWi-Fiやテザリング機能を利用してしのぎましょう。
モバイルWi-Fiは外出先でもWi-Fiを利用できるメリットもありますし、レンタル型のモバイルWi-Fiもあります。
モバイルWi-Fiは一定以上の通信量を消費すると速度制限がかかり、夜の通信速度が低下するデメリットも。
ただ日中使用する分には通信量に関係なくインターネットを利用できますので、使い方一つで利便性は大きく向上します。
(モバイルWi-Fiの種類によって速度制限と解除要件は異なります。)
テザリングはスマホの通信機能を利用し、パソコンでインターネットを利用する仕組みなので、Wi-Fi環境がなくてもスマホのデータ通信が利用できれば、インターネットと接続できるのが大きなメリットです。
注意点として、テザリングで消費した通信量はスマホのデータ容量と合計しますので、使いすぎるとスマホのデータ容量の上限に達する可能性は予期しておいてください。
なのテザリングの通信速度は、光回線やモバイルWi-Fiよりも遅いことが多いですので、日常的に使用する目的ではなく、緊急的にパソコンを利用したい場合の選択肢とすることをオススメします。
インターネット回線が急に遅くなる原因のまとめ
インターネット回線が、急に遅くなる原因のまとめです。
- 夜はインターネット利用者が多い
- 電波干渉が起こると接続しにくくなる
- 光回線は一番安定している
- auひかりは通信速度が遅くなりにくい
インターネットは生活に必要不可欠なので、利用環境を整えることで生活の質も向上します。
また引越しや生活スタイルを変えるタイミングは、インターネット環境を見直すいい機会です。
Wi-Fi環境やプロバイダーを変更するだけで、通信速度が一変することもあるため、忘れないうちにご検討ください。